瓦屋根と太陽光パネルの相性

伊藤工設計がつくる住宅の屋根は、鉄板屋根と瓦屋根がほぼ半々です。

太陽光発電をたくさん載せたいというご希望の場合は、鉄板屋根を選ばれることが多くなります。

鉄板屋根は比較的緩い勾配にできるため、同じ建物でも屋根面積を大きく確保しやすく、結果として太陽光パネルを載せられる面積が増えるからです。

一方で、瓦屋根にも根強い人気があります。

その理由の一つは耐久性です。鉄板屋根もひと昔前と比べると性能や耐久性は向上していますが、瓦は非常に寿命が長く、適切に施工されていれば屋根材そのもののメンテナンスはほとんど考えなくてもいいでしょう。

長い目で見た維持管理費を考えると、瓦屋根を選択される方が多いのもうなずけます。

また、瓦屋根には遮音性の高さという特徴もあります。大雨の時でも雨音が室内に伝わりにくく、「雨が降っていることに気付かなかった」というお話をオーナー様からも聞きます。

ただし、瓦屋根は鉄板屋根のように極端に勾配を緩くすることが難しいため、太陽光パネルを設置できる面積が限られるのです。

ここで問題になるのがZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の判定です。

断熱性能を示すUA値が十分に良好であっても、創エネルギー設備である太陽光発電の容量が不足すると、ZEH基準を満たせないことがあります。つまり、「断熱性能は十分なのに、屋根形状の関係で太陽光パネルが載せきれず、ZEHにならない」というケースが実際に起こるのです。

そのため、ZEH取得を優先するのか、それとも将来の屋根メンテナンス費用や耐久性を重視するのかは、お客様ごとの価値観によって判断が分かれるところです。初期費用だけでなく、数十年単位での維持管理費も含めて考えることは大切なことです。

今回計画中の住宅では、瓦屋根でありながら温熱計算の結果、無事にZEH基準をクリアすることができそうです。

さらに、許容応力度計算の結果も届きましたが、その報告書はなんと472ページ。

構造、温熱、耐久性、それぞれを丁寧に積み重ねながら、一棟ずつ設計を進めています。

模型は完成度9割だそうです。

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