東京ぶらり ~旧安田楠雄邸庭園~

こんにちは、関です。少しずつ寒さが本格化してきました。厚手のコートを引っ張り出していよいよ冬支度をしなくては!とガサゴソクローゼットを漁る(ほど服はないのですが…)日々が続いておりますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
今週の水曜日、木曜日に社長と奥さんと東京へ行ってきました。第一目的としては、東京ビックサイトで開催されているジャパンホーム&ビルディングショーに参加することです。こちらのイベントは年に1回開催されており、15日~17日の3日間で開催されていました。コロナがだいぶ落ち着き(とは言え、流行っていますが…)、沢山の人で賑わっていました。東京ってすごいなあと行く度に思わせられます。そして同時に宮城っていいなあと再認識します。話が脱線しましたが、こちらのイベントについては、社長のブログを見ていただければと思います。私が書くと、原稿用紙3枚分くらいになりそうなので(笑)。イベントには2日目に参加したので、初日は東京ぶらぶら。東京にそこまで詳しくない私にとって、ここまでディープな旅は初めてでした。東京の下町や世界遺産と様々な景色を見ることができました。

特に印象に残ったのが、文京区にある旧安田楠雄邸庭園です。
―「豊島園」の創始者である実業家、藤田好三郎(ふじたよしさぶろう)によって1919~1920年に造られました。関東大震災後、旧安田財閥の創始者・安田善次郎の女婿である安田善四郎が藤田家からこのお屋敷を買い取り、安田家の所有となりました。そして1995年、当主の楠雄氏が他界した後、夫人により公益財団法人日本ナショナルトラスト(JNT)に寄贈され現在に至ります。―(公益財団法人 日本ナショナルトラストHPより)
立派な一軒家(3階建てのセコム完備)が立ち並ぶ閑静な住宅街の中に佇んでいて、びっくり。大正時代に建てられたというこのお宅ですが、古さを微塵も感じさせない造りでまたまたびっくり。古い家の鴨居や敷居、ふすまはごついことが多いそうなのですが、とてもすっきりとしていて、古さを感じさせない造りでした。戦争を乗り越えてここまで綺麗に保存されているのは珍しいのだとか。畳の部屋が多かったのですが、座って見ると何だか落ち着く…。この安心感が家において大切だなと感じていました。また、照明のチョイスが家の雰囲気をさらに引き立てていて、参考になりました。照明は後になってつけたものだと思うのですが、何個も照明をつけずに、最低限だけ。ダウンライトはなく、ペンダントライトがメインでした。まさか大正時代の建物から照明のことまで勉強できるとは!とても有意義なものとなりました。
温故知新という言葉は私が一番好きな言葉です。古いことを知って新しい知識を得る、つまり、古いことを知ることが新しい物づくりのヒントとなるという意味だと解釈しています。最近はレトロブームで古いものに魅力を感じる若者が増えていると言いますが、高度経済成長期からの日本では、新しいものに羨望の目を向ける人が多かったように思います。古いものをどんどんと進化させ、便利な世の中を作ろうと多くの人が思っていました。だからこそ、様々なテクノロジーが発達し、世の中が便利に、それまた便利になっていきました。ただ、新しいことを追い求めるには限界があり、ヒントを探すことが必要になります。そうした中で、古いものを知る・見ることで、新しいことがわかるような気がします。古いものは新しいというのは、矛盾していますが、今の小学生にとって、テレビのない生活は新鮮なことと同じように、ないことが当たり前の世の中が今の若者にとっては新しいことだったりするのです。今回のお宅を見て、照明の考え方や和室の持つ安心感、植栽の持つ意味など様々なことを知ることができました。短時間でしたが、非常に刺激となりました。これをすべて家づくりに反映させるのは難しいですが、少しでも新しい考え方に昇華できるようにしたいなと思います。

外観

植栽が立派でした。

キッチン シンクは銅製なんだとか。

畳室 照明がいい味出しています。

床の間も素敵でした。

応接間 少しぶれてしまっていますが… この部屋は、大正ロマンを彷彿させる洋風な部屋。レコードも現役で動いていました。

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