能登半島地震を受けて

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
まずは今年の抱負を記しておこうと思います。去年の抱負が「まずやってみる」でした。
迷っている暇があったらとりあえずやっちゃえという気持ちを持って過ごすことを意識した一年でした。その結果、今までためらっていたことや決断できなかったことにも挑戦し、色々な体験をすることができた年となりました。
そして今年の抱負は「積極性を持つ」です。抱負にしては随分とさっぱりとしていますが、今の自分に足りないものかと思います。積極的にチャレンジする、仕事でも私生活でも。これができるようになると、さらに面白い人生になるのではないかと思い、設定しました。自分の考えや意見を言うことはためらってしまうことも多くあります。ただ、それが今後を大きく変え得るチャンスを持っていることも周知の事実です。だからこそ、恐れずにぶつかってみる、だめだったらやり方を変えるといった風にポジティブに進めていければと思います。まあ、そんな簡単なことではありませんが、目標は高く!と聞きますから、それになぞらえて今年一年頑張っていきたいと思います!

年末年始は、これと言った遠出もせず、祖父母の家に泊まったり、大掃除をしたり、妹と勉強をしたり…一番テンションがあがったのは、年末のWBC特番。あれが私のお正月のピークでした。そして年が明けて清々しい気持ちでいたところ、能登半島地震が起こりました。まさか元日にという気持ちでいっぱいでしたが、自然災害はいつ起きてもおかしくないものということを再認識しました。今もなお、余震が続き、生き埋めになっている方や安否確認が取れない方が多く居るとニュースで見聞きします。このようなニュースを見ると、どこか他人事のように感じてしまう自分に嫌気がさします。「自分や家族、身近な人は被災してないから大丈夫だ」といった、どこなく他人行儀な気持ちが生じることが憎らしく感じてなりません。東日本大震災を経験したひとりとして何かできないかと感じているうちに、正月休みが終わり、日常の生活へと戻らざるを得なくなりました。いつもなら、正月休みが終わることに恋しさを覚えるのですが、今年はそんなことを考える余裕もなく、不甲斐ない日々を過ごしていました。ニュースを眺めていると、小屋組みごと倒壊した住宅や基礎ごと倒れたビルなど建築物の倒壊が多く見受けられます。調べてみると、被害の大きかった珠洲市では、住宅の耐震化率が全国平均87%を大きく下回る51%(2018年末)だったことや、建築基準法制定前の1950年以前に建てられた建築物が多かったことなどがそうした倒壊が目立った原因とされています。確かに、北陸の建築物は古いイメージがあります。景観を守る等の理由があったのかもしれませんが…。倒壊するとなると、景観どころではなく、人命も守れないというのは話になりません。余震が続いているためまだ余裕はありませんが、いずれ耐震性に関する議論が交わされる日が来ることでしょう。地震が多い我が国で、今回の地震が耐震性の重要性が再び唱えられるきっかけとなることは、残念でなりません。こうしたことが二度と起こらないようにするには、日ごろから一人一人が防災意識を持つことが一番です。そこに付随して、我々のような建築に携わる者の耐震に関する知識と安全性向上に向けた日々の取組が不可欠なのだと改めて感じました。
私にできることはちっぽけなものですが、少しでも多くの方が少しでも早く、日常の生活を取り戻せるように、尽力できればと思います。

石川県輪島市(朝日新聞DIGITALより)

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