C値はいくらを目指す?
断熱材がしっかり入っていても、気密が確保されていないと断熱効果はありません。
体感的な寒さの要因は断熱不足ですが、半分は隙間風によるものです。
気密性が低いと空気の入れ替えが生じ、上下温度差が大きくなります。
C値とは、隙間相当面積のことをいいます。この数値が小さければ小さいほど気密が取れ、断熱性が保てるということになります。
それでは、C値はどのぐらいあればいいのでしょうか?
昔は…Ⅰ㎡あたり5.0㎠という基準があったのですが、ゆるすぎてなくなりました…。
今は、Ⅰ㎡あたり1.0㎠以下が望ましいと言われています。
100㎡(約30坪)の家だとすると…、
C値:1.0㎠/㎡では、家全体で名刺2枚分相当の隙間があることになります。
C値:0.5㎠/㎡とすると、家全体で名刺1枚分相当の隙間です。
C値:1.0㎠/㎡を目指すというのは、漏気による熱損失は建物全体の約5%で、省エネルギー上の影響は少ないからです。でも…結露のリスクは残ります…。
できれば0.5㎠/㎡を目指してもらいたいです。
気密測定を行う場合、1現場で2回行います。
1回目は仕上がっていない状況で行います。隙間がどこにあるかを探すことができ、塞ぐことができます。2回目は完成した時に行います。
建物の気密は0.5㎠~1.0㎠/㎡という表現は問題があると考えています。
基礎仕様が同じで数値に巾があるのは…隙間がどこにあるのか探せていないと見ることができるからです。
目指す数値は0.5㎠/㎡ですが…ここで満足していたらいけません。
なぜならば…築後一年の数値は30%減になるからです。ゆえに0.5㎠/㎡以下を目標にします。完成時測定で0.3~0.4㎠/㎡ぐらいはほしいところです…。
二年目以降からは数値の減少はないようです。
気密は0.5㎠/㎡、ゆえにOKではなく、一年後に0.5㎠/㎡になるように考えましょう。
そこには、すこしの手間と材料、工夫が必要になります。